お金と成功は、ピンチの時のちょっとした対応の違いでもたらされます。
回りを見渡してみてください。
なぜか、不景気にも関わらず仕事が順調でお金回りの良い人。
逆に一生懸命働いても、なかなか仕事もお金もままならない人。
それは逆境やピンチの時の考え方や行動の仕方に違いがあるのです。
人生では信頼していた人に裏切られるような場面に遭遇することもあります。
ひどく落ち込んだり、人間不信に陥ったり強い憎しみや恨みを覚えてしまうなど
辛い場面だからこそ、そこをどう乗り越えるかで成功する人とそうでない人に分かれるのです。
信頼していた人、親しい人に裏切られたら誰もがショックです。
最初は怒ったり、憤りを覚えるでしょう。問題はそれをどこまで引きずるか? 成功する人は怒りや憎しみを長く引きずりません。どこかで気持ちを転換し、次に進むことができるのが特徴だと言えます。
恨みや憎しみと言うマイナスの感情を引きずるのは、自分の人生にブレーキを掛けている状態と同じです。
次の人生に向かって動き出すエネルギーを押さえつけてしまうわけです。
たしかに怒りや憎しみをバネにして頑張る人もいます。
しかし、その頑張りが成果に結び付くのはいっとき、長期的な視点で見るとマイナスの感情からの頑張りは大きな成功には結び付かないと思います。
マイナスの感情に支配されて動いている人に、人は魅力を感じません。
逆に怖さや窮屈さを感じますから、次第に人が離れていき孤独になっていく。するとますます頑なになって人が離れていくという悪循環に陥りがちです。
現在成功している人ほど、過去のそんな辛い体験をまるで他人事のように明るく笑い飛ばします。
「本当にそんな大変なことがあったの?」
聞いている方が不思議になるくらい、過去に捉われている暗さがありません。
自分を裏切った人物に対して非難することもなく、大らかに語れる人物に対してどんな感じを抱きますか?
人間的な温かさや厚み、器の大きさを感じるのではないでしょうか? それが魅力や人徳となって人が集まり、結果として成功に近づくのです。
仏教では「執着」という言葉を用いますが、
人を憎んだり恨んだりすることは、それに捉われている不自由な状態なのです。
憎しみや恨みに執着することで、その状態から抜け出せず前に進むことができないのです。
執着している状態は視野が狭くなっている状態でもあります。憎しみや恨みにばかり目が行って、感情や感性がすべてそれに引きずられてしまう。
するとそれ以外のたくさんの情報を受け止めることができず、良いチャンスがあっても見逃してしまうのです。
ある実験ですが、自分の事を運がいいと思うと答えた人たちと、
運が悪いと答えた人たちをそれぞれ集めて
その日の新聞に何枚写真が使われているかを数えてもらいました。
じつはページの中ほどに大きく、
「この新聞には写真が〇枚使われています」
「この文字を見つけたことを伝えると1万円もらえます」
と印刷されていたのです。
すると面白い結果になりました。自分を運がいいと思っている人たちの多くが、その文字を見つけ、写真の枚数を当てたばかりか1万円を手にしました。
ところが運が悪いと答えた人の多くがその文字を見逃がし、四苦八苦して写真の枚数を数え、しかも1万円も得る事ができなかったそうです。
運が悪いと思っている人たちは、新聞を見渡す余裕がなく必死に写真を探していたために、せっかくのチャンスを逃してしまっていたわけです。
つまり運がいい人はつねに視野を広く全体を見渡すことで、チャンスに気付くのに対して、不運な人ほど視野が狭く、チャンスに気が付かないのです。
このことからも一つの感情に捉われ、そこに執着することで「運」が落ちていくカラクリが分かると思います。
血の通った人間であれば、瞬間的に感情に揺さぶられることは致し方ありません。
ただし、感情と言うのは一カ所に留めておくのではなく、流してやるもの。
怒りや憎しみは一瞬燃え上がったとしても、しばらくしたらまた平素の感情に戻る。
感情とは本来そういう種類のものであり、いつまでも自分の中に止めておくものではないのです。
そうすることで感情は生き生きと流れ、
執着から離れることができる。
それが視野が広がることにつながり、
「運」
を呼び込むことになる。仕事やお金という結果につながっていくのだと思います